最近小説をいくつか読んだので、記録することとする!
「フォルトゥナの瞳」百田尚樹
百田さんが恋愛小説を書いているだって~!?
っていうことで読んだ。
フタをあけてみたら、そんなに恋愛小説じゃかった。
なんだろう、私的には超能力モノという印象。
「死を目前にした人が透けて見えるようになってしまった」主人公の苦悩の話。
このような能力には代償がつきもの。
他人が死ぬ運命を変えてしまうと、自分にダメージがあり、確実に死が近づく。(あるいは死ぬ)
自分だったら何かと助けまくってすぐに死んじゃうかも…。
いや、結局は自分が一番かわいくなってしまうのかなぁ。
とか、考えながら読んだ。
そんな好みじゃないけど面白かった。
知らなかったけど神木隆之介氏主演で映画になってたんだね。
「風の中のマリア」百田尚樹
これは好みだし、とっても面白かった。
なんてったって、この話は「オオスズメバチ」の人生のお話。
あるいは他のハチ、虫、生き物。
オオスズメバチの話をこんなに面白く、興味深く書けるなんて
やっぱり小説家としての百田さんはすげえな、と思った。
これを読むともれなくオオスズメバチにめちゃくちゃ詳しくなれます。
オオスズメバチって、女王蜂一匹と、その他大勢の働きバチ(メス)で
構成されてて、女王蜂は一生子供を産み続けて死に、
働きバチはほとんどが一生狩りをして生きる。
主人公は働きバチなんだけど、自分の人生に本能的に納得していながらも
少しだけ「狩り続けて死ぬ」ことについて考えたりして…。
私的には、オオスズメバチの人生をとおして
「そういうもんだから、そういうもん」っていう人生について立ち止まって考えてみること、が隠れテーマの作品なのかなぁと
思いました。
読んだらオオスズメバチのwikipediaやyoutubeを見たくなること間違いなし!!
「I(アイ)」西加奈子
シリア生まれだけれど、裕福なアメリカ人の父と日本人の母の間で養子として育ったアイが主人公。
生まれと育ちの環境もあって、世界中の悲惨な人生を送る、あるいは死んでしまう人たちについて心を痛めたり、そう思ってしまうことが悪いことに思えたり、色々と考えすぎてしまうアイ。
その心理描写は共感できることが多かった。
アイデンティティ、人種、貧富…
答えがでない系のまとめづらいテーマなのに、読み終わってみれば綺麗にまとめられていた。
2016年ごろに発売された小説。
話の中の時代、事件(主に2000年以降の出来事)が起きた時の空気感を、アイの感性を通しながら、リアルに書いているのが特徴的。
(各国で実際にあった戦争、デモや暴動、アメリカの同時多発テロ事件から、東北大震災など)
そういった意味で、発表当時によむのがリアルタイム感があってベスト
だけどテーマは普遍的で今読んでも全然遅くない
とっても考えさせられる作品。
「ユリゴコロ」沼田まほかる
読んでた時の精神状態が微妙だったから、というのもあるが
前半はとっても怖かった。描写も空気感もとっても怖かった。
というか、イヤなかんじだった。
途中でやめようか…と思ったが徐々に普通の小説っぽくなってったので
結果楽しんで読めました。
子供の頃からサイコパス素質の女性と
その女性が書いた過去についてつづられる日記を読む男性、
と二つの視点で読む小説。
テーマがよくわからない。一応「愛」なのか??
でも私はときどき
たとえば、私がたまたま生まれた時から「青色」が好きな性質をもつように
「人を殺すこと」だったり「歪み過ぎた性癖」を持ってて、
それをどうにもできない人がいるとして、
人を傷つける事件をおこしてしまった場合についての
どうしようもなさ
とかを考えることがあるので、
そこはちょっと刺激してくれるお話ではありました。
けど、そこを描きました!というにはぬるいお話であり、
ていうか、まったくそれはテーマじゃないだろう。
何とも言い難い作品でした。
調べたらこれも映画になってた。
主演吉高由里子。だよねw という感じのナイスな配役だなぁ
絶対具合悪くなるから一生見ないと思うけど