先日、姉に誘われて、上映中のドラえもんの新作映画
を見に行った。
ドラえもんを映画館で見るのは多分13年ぶりくらい。
作品自体は2014年公開の「新・のび太の大魔境」ぶりの鑑賞である。
姉も私も昔はよく一緒に見たものだが、
かなり久しぶりに姉が誘ってくれた理由は、
今作の脚本が古沢良太さんという、有名売れっ子脚本家の方だったからということだ。
(三丁目の夕日、寄生獣、コンフィデンスマンJPなどに携わっているお方)
私はわりと子供向け作品でもピュアな目で見て楽しんだり評価したりできるほう。
ドラえもんはその目線でみても、(その目線だからこそ?)当たりはずれが大きい。(昔の作品から)
今回は前評判が良い、という話だったが、まああまり期待せずに見た。
そしたら
おっもしろかったーーーーー!!!!!
以下ざっくりあらすじです。
世界には「ユートピア」という、嫌なやつがいなくて、戦争がなくて、
皆楽しく生きている「幻の場所」があるらしい、ということを知った野比のび太。
なんとなくそれっぽいものをたまたまた見てしまい、
ドラえもんに探したい!!とねだる。
しょーがないなー、とドラえもんはそれを探す場所時代自由自在の中古飛行船を購入。
いつもの仲間と一緒にその旅にでて、なんやかんやあり、
結局「ユートピア」らしき場所、「パラダピア」を見つけてしまう。
そこは、みんな優しくみんな笑顔、そして誰もがパーフェクトな人間になれるという、400人くらいが幸せに暮らす素敵な場所。
落ちこぼれコンプレックスのび太は「パーフェクト人間」を目指すべく、ジャイスネしずかと共にそこの学校に通うことになるのだが……。
はい、半分までです。
感じたテーマは「欠点も含め僕は僕だし君は君である」。
ドラえもん版ミッドサマー
って感じで、偶然だと思うが、宗教や洗脳を意識させるタイムリーな内容。
ありがちかもしれないが、大人でも引かれる実は重いテーマである。
今作は敵(このユートピアを作って人々を洗脳している人)の最終目的が
明かに悪かったから、「それはダメー!」って言えるけど
そうでもなかったら、「みんなパーフェクトでみんな幸せ」
そんな世界を作る事はたとえ洗脳という手段をとったとしても悪いことじゃないようにも思えるよなぁ、
とか考えちゃう、もうピュアじゃない大人の自分を発見したりする作品でもありました。
それはともかくとしても、
このざっくりあらすじ後、後半の怒涛の展開と伏線回収、お見事でした。
劇場版ドラえもんの一つのウリである、冒険心をくすぐるところ、子供をワクワクさせるポイントを
今までの作品を彷彿とさせる感じでおさえつつ、それでいて現代らしく、新しい。
話のテンポもいいし、数人のゲストキャラの描き方もいい。
明るいんだけど怖い感じもいい。
力入れすぎだろ!!!スタッフー!!!
っていいたくなる大力作でした。
なかなかこれは今後オリジナル作品で評価を抜くの、大変なのでは??
ただやっぱり問題解決に向かう中で、ドラえもん作品を超えちゃうような説教臭さはちょっと感じるんだけど、
それはF先生作品でもやってたし、多少は、多少はね?
………とか、こんなふうに、ちょっと指摘しちゃったりするくせに、
冷静にえらそうに評価したりするくせに、
実際はやっぱり純粋に物語の中に入っちゃって、
平日にもかかわらず、それなりにお客の入ってた劇場内で
キャッキャいいながら見てる子供を横目に、
涙で顔がぐちゃぐちゃになってしまうまえがみなのでした……。
(明らかに制作陣が狙ってない場所でも泣いてしまうんだけど、この病はいったいなんていうんですかねぇ!)