まえがみのニンニンニン

我が名はまえがみであり前髪である。書きたいことを書きたいように書いているのである。

ありがとうとThank you

この世は、有難いことに、ありがたいことで溢れている。

そして、誰かに自分のことを思っての行動をされたときなど、ほとんどの(たぶん)日本人の口からは、自然に「ありがとう」という言葉が出てくる。

その、「ありがとう」とは一体、なんなのか・・・。

 

今日はその素敵な言葉に感謝をこめて(はて、では感謝とは…)ありがとう、という言葉について、記憶をたどりつつ書く。

 

 

数年前、私は毎晩オンラインで、海外の人たちとあそびまくっていた。なぜか割と英語で会話ができていたのだが、まあこんな発音の悪い文法もめちゃくちゃなヤツと、よくもまあ皆会話したり遊んでくれると思って、そりゃもう「Thank you Thank you」言いまくっていた。

 

そんなある日、とくに一緒に遊んでいた中国人の子がいってきた。

「youはthank youをたくさん言うよね!そんなに言われると度々照れちゃうよ!」

 

えー?どういうことだろうー?と思ったが、とりあえず、日本人にとっての、thank you、ありがとう、を解説してみた。

「That you play with me and are kind to me. It is not natural.  It is not a common thing, but your kindness. "Arigatou" has the feeling of gratitude for such unusual things for Jap. That is why Japanese people say "Thank you" for it.」

こんな感じだったかな?

とにかく、優しくされることは当然のことではない、当然のことではないことを日本人は有難く感じ、それに対し、ありがとう、という。みたいな説明をしたと思う。

 

その子が理解してくれたかどうかわからないが、これを言いつつも、私は、ありがとう、について今一度考えることとなった。

 

多分、似たような感情を表した言葉同士を、他言語間では訳として結びつけている。

 

でも、なんとなく完全に一緒だ、とおもいがちだった

「ありがとう」「Thank you」、はたまた「謝謝(しぇいしぇい)」、また他の言語のありがとう、も

ちょっと違うのかな、と思った。(それをいっちゃあ全ての言葉がそうなのだが)

 

・ありがとう

「ありがとう」は、知っての通り、「ありがたい」という形容詞の連用形「ありがたく」がウ音便化した言葉で、

文字通り、「有難い」、貴重である、滅多にない、ということへの感謝の気持ちとして言う言葉になっている。

 
・英語は…

一方、「Thank you」の「thank」の語源は、「think」の語源と一緒と言われており、「あなたを思う」に近い感覚が元になっている。

 

でも英語にはthankよりも丁寧な言葉として「appreciate」がある。

 

例)I appreciate it. (私はそれに感謝しています)

 

また、そちらも語源はto value(価値がある、値段をあたえる)のような言葉から派生しており、「ありがとう」の語源とは微妙に違う。(全然違うか?)

 

・感謝

ちなみに日本語の「感謝」はというと、感については

わかりやすく、感=心が動き出すさま だが、

謝は、言=言葉を発すること 射=張り詰めた矢をはなつ という漢字の成り立ちから、「言葉を言って緊張を緩和すること」のような意味があるらしい。

だからこそ、感謝の謝であり、同時に「あやまる」でもあると。

 

思ったより重たい成り立ちではない。

が、感じたことを矢を射るように伝える、という意味だとすると重いかな?

 

で、このことから、中国語の「謝謝」の元の感覚は、感謝の語源の方にあるとされる。

 

 

 

現代の言葉では同じような気持ちが根底にはあるのは間違いない。

間違いない、が

「うぉぉおぉぉありがてええええこんなこと普通じゃねえええうおおおお」

っていう強い感覚(これはつよすぎ)からくる、感謝の気持ちは

「ありがとう」という言葉

ならではのものかもしれない、と思った。

 

なんとなく、「もったいない!」とか「よろしくおねがいします!」

みたいな言葉にぴったりくる英語がないのと同じような、

非常に日本人らしい感覚であると感じる。

 

 

 

冒頭に戻るが、ほんとうにこの世は有難いことで溢れている。

隣人の優しさはもちろんのこと、酸素を与えてくれる植物、光と暖かさを与えてくれて毎日出てきてくれる太陽、こうやって考えや思いを文字にしたためられるのも文字と言葉という大発明のおかげだしこの文字も、有難い。

ああ、もうすべてに「ありがとう」という気持ちがでてきたよ……。

 

でもほんとに、口をつくようにでる「ありがとう」だからこそ、

それをいう事すら「当たり前」で、いうたら言葉だけ、クチだけのやつにならないように、ちゃんとその有難さを感じて、自分の行動も変えていきたいなぁと思う。

本当に優しい人間になりたいよ、私は。

 

(ちなみにこの前発表した曲の詩の最後もありがとうだよ!みんな!聴いてね!)↓

前髪「蜃気楼」Music Video - YouTube

 

 

ということで

 

素晴らしき日本語よ。日本人の感じ方よ。

私が人間に、そして日本人に生まれたことも、また有難い奇跡なのであった……

ありがとう

ありがとう